らんちゅう品評会での審査基準と評価ポイント

相撲の番付のように順位付けされる

まず、品評会では、相撲の番付のように順位がつけられ、上から大関、関脇、小結という形でランクされます。
昔の資料を読み返してみると、本当の相撲の番付だと思われる形式で書かれておりますが、 近年は略式のものが多く、一等行司と行司一といった具合に表現も異なる役があります。

大会での作業を円滑にするために変更された部分もあるのではないでしょうか?

さて、どうしてこのような相撲の番付になっているかというと仮説ですが、相撲の様に切磋琢磨し優劣をつける事からだとも言われております。

また、一つ相撲の番付と違うことは横綱が書かれていません。これは横綱になってしまうとそこで終り、 その先がなく、負けることが許されないといったイメージがあるためだと言われております。

全ての魚が頂点を目指すのですが、相撲の様に勝ち星・負け星により役が変わるように 東大関を獲得した魚が次の大会で下に下がってしまったり・・・ 下位の魚が上位に入賞したりすることからも相撲に似ていると思います。

毎年11月3日に開かれる全国大会は 三回 同じ魚が 大関(1,2番)になった場合は 横綱として認定されることが会則として定められております。 こちら 現在の受賞者は5名 57回大会に5代目となる横綱が誕生しました。

評価基準は地域、大会の風習で変わってくる

らんちゅう愛好家の方々のお話の中で良く耳にするのが、 この大会の審査員は◎◎の部分が厳しくて、◎◎の部分が優しいから このタイプの魚を出品してみようか?とか、あそこの会の風習は昔ながらのタイプのらんちゅうが上位に入賞する事が多いので このタイプではなくこっちの方が良いんじゃない? といった話を良く聞く事があります。

この話は概ね当たっていてズバリ審査員の好み、地域、大会の風習により評価が大きく違ってくることがあります。この大会では一番だったから、他の大会にも出品するぞ~! と気合を入れて出品したものの・・見事に下位に落とされた~といった経験も多いはずです。

ただし、どちらの大会・どちらの審査員の先生方が正しい・といった事は存在しません。

先に述べたように大会の会則も違えば、風習も違う、さらに審査時の状態(審査中の泳ぎ・コンディションなど)によって 大きく変わってくるからです。 そして審査は一人で行うものではなく数人で行う為意見が分かれてしまう場合もありますので100%といった事はありません。

審査員の先生方にとっても一番頭を悩ませるのは良い部分を見つける事だと思います。 悪い部分・欠点は素人の方でもわかります! 但し、欠点と良い部分を相対的に見て評価する事は非常に難しく、 一般の方々では判断が出来ないものが多いのではないでしょうか?

長年の経験を生かし、短時間(審査)で判断し評価につなげる事は誰にでも出来る事ではありませんね!
基本的には減点対象のポイントを見極めて減点方式で考える方が多いと聞いております!

らんちゅう品評会での審査方法

協議で行う場合

こちらは魚だまりから洗面器に移された魚達を決められた審査員が一斉に審査し、 このらんちゅうはここが良いから上、ここが悪いからいったん下げよう! といった具合に協議をしながら順位を付ける審査方法。

こちらはしっかり、じっくり見て頂けるので味魚(昔ながらのタイプ)も評価が高いようにも思いますが 近年は出品魚の増加に伴い協議制の審査は少なくなっているようにも思えます。

点数制で行う場合

点数制は、審査員それぞれの持ち点(A>B>C 1・2・3・4・5点といった分け方)でそれぞれ加点していく方法です。
まず魚だまりから審査ダライ(審査用の洗面器)に魚係の方が1尾づつ 背見せをしながら入れていきます。
(背見せ=背中のラインを見せる) こちら約2~3秒ほどの短い時間で審査員は欠点を見つけます。

そしてしばらく泳がせて審査長の号令に合わせて一斉に札を出します。
泳がせる時間も出品魚が多ければ10秒ほどです。 ここでの見落とし・我慢の範囲・考え方の違い・により評価が大きく変わります。

5人で審査をすることが多いのですが例えば 1人 A  3人 B 1人 C といったバラバラの時も実際の現場ではあり得ます。 AとCは極端に違っていますが、こちら日本人特有の我慢の範囲といったニュアンスから、
この部分は我慢でしょ? 
いやいやこれは急所だから減点というよりは失格に近いでしょ?
といった意見だとしても、協議制ではないため、その場では意見交換はされません。
但しBを出した3人からすると・・ 私はAをだすか?Bをだすか? 迷ったのにまさかCが出るなんて? といった気持ちになっている事だと思います。 (極端に評価が違う事が度重なると審査長が意見を求める場合もあります。)

点数制の場合は審査時間が短く、一度出した点数を変更する事が出来ないため 一発で決まるので後でこっちが良かった・これは下げた方が良くない?といった事はありません。
審査が終わり洗面器の並びを見ますと、ちょっとおかしくない? といった時もあるようです。 また、短時間で泳ぎが見れなかったり、欠点を見落としたりする場合も ごくまれにあるようで、こちらは協議制に比べ今風の魚が上がる事が多いです。

2種類のどちらの審査も公平かつ紳士的に行われておりますが、優等5尾×3部門=15尾に選ばれた方は 今日の審査は良かったよ!!といった感想をお持ちになられ、 その他の方は良くも悪くも思わない方が多いので 審査はその日の(出品者)6割くらいの方から満足の言葉がいただければ 大成功!といった話も聞いたことがあります。 それくらい現実(審査)は厳しいと言えます。

審査規定をベースに時代の流れも読むこともコツの一つ

大会の考え方により審査基準は微妙に異なりますが日本らんちゅう協会の審査規定によりますと 背・腰・尾・頭・色など細かく分類されております。
その中でも割と一般的に通用するNGポイントをご紹介しましょう。

背・腰

背・腰は綺麗に丸みを帯びたもの小判型・櫛形などが代表的です。
背の途中で凸凹・突起物などがあってはいけません。 更に急所に位置する部分に欠点がある場合はNGです。

尾は左右平等に大きく開いたものが良とされています。
ツマミ・・尾芯が太く指でつまめるもの
さし・・・・尾付けの部分に骨のようなものが刺さっている
芯だれ・・尾芯が下がりすぎている(◎度以上といった規定も書かれておりますが これはあくまでも、その魚の背に対してなので表現は難しいです)
以上3点はNGポイントとされます。

頭は龍頭・獅子頭・兜など様々なタイプがありますが どのタイプも平等に評価されることが多いです。
ただし著しく発達の悪いものは評価が低いです。 龍頭が人気のタイプです。

最近では審査員の方が若い世代に代わってきたこと、 インターネット、雑誌などで情報を得る事が多い、などから、昔は好評だった魚が現在では評価が低かったりすることは みなさん感じておられるところではないでしょうか?

特に職人気質の方に弟子入りされた方、 現場で魚に触れて勉強してきた方が少なくなってきた今、入賞するための基準も時の流れで変わってくることも頭に入れておかなければならないと思います。

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